母なる大地

少し遅れた私を、昨日から待っていたかの様に、
微笑みながら話すおばあちゃん達。

そのしわの分だけ、悲しいことがあったのだろう。
そのしわの分だけ、辛いこともあったのだろう。

その足で大地を歩き、その手で大地を掘り起こし、
その小さな体で、子供達を育て上げてきたのだろう。
薄く染まったその頬は、きっと幸せなんだろう。

聴いていたカーステレオを切り、窓を開け風を聴く。
フロントガラスから差し込む太陽の光と、
自分の恥ずかしさを隠すようにサングラスをかけ、タバコに火をつけた。

母なる大地は水の流れを作り、潤いを与え、
時代をみつめていた大樹も風に吹かれなびく。
サングラス越しのその瞳は、その先に広がる限りない大空を見ている。

アクセルを踏み込み、スピードを上げる、まるで、
頑固な親父の背中を負う様に。


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